斎藤元彦知事へのパワハラ疑惑を告発した元幹部職員が亡くなった問題。これに深く関わっていた片山安孝元副知事は責任を取るとして涙の辞職会見を行っていました。
しかし、その後の百条委員会での発言で物議を醸しました。
今回は、パワハラ疑惑に加担していた片山元副知事が、涙の辞職会見で見せた名演技、その『たぬき』っぷりをまとめます。
兵庫県パワハラ疑惑問題の経緯
まず、この問題の経緯を簡単におさらいします。
- 2024年3月、元西播磨県民局長が斎藤元彦知事のパワハラ行為を告発する文書を配布
- 斎藤知事は「嘘八百」と否定、県は告発を「事実無根」として元局長を停職処分
- 7月7日、告発者の元局長が「死をもって抗議する」とメッセージを残して亡くなる。
- これを受け、斎藤元彦知事らを批判した告発文書問題や、元幹部職員の懲戒処分に関する調査を行うために、百条委員会が設置される
この一連の出来事により、県政は大きな混乱に陥りました。
片山副知事の辞職会見
7月12日、片山副知事は突如辞職会見を開きました。その内容は以下の通りです。
- 「県政の混乱させている責任をとるため」辞職を表明
- 「ほんまに悔しゅうてしゃあない。一生懸命やっている知事を支えられなかった」と涙ながらに語る
- 知事にも辞職を求めたが断られたことを明かす
- 「議会とも、職員ともコミュニケーションが不足したのは、知事を補佐してきた私の不手際でもある」と反省の弁
この涙の会見は、多くの人々の注目を集めました。
しかし、その背後にある事実関係について、さらに詳しく見ていく必要があります。
後の百条委員会で、知事の指示で違法に告発者を探し、威圧的に追い詰めたことなどを認めている。
辞職会見時は、そのことを隠し通すために涙の名演技を披露していたことになる?
これは、職員が亡くなったことに関与していないように思わせるための印象操作をし、副知事がパワハラに加担した疑いが掛けられる前に逃げたって事になる?
片山副知事の告発者への対応
実は、片山副知事は告発した元局長に対して、かなり厳しい対応をしていたことが明らかになっています。
- 3月21日、知事から告発文書について「徹底的に調べてくれ」と指示を受ける
- 3月25日、人事課長と共に西播磨県民局を訪問し、元局長の公用PCを押収
- 元局長の1年分のメール送受信記録を調査(匿名の告発者の特定行為は違法です)
- 「メールの中で名前(が)出てきた者は、在職しとるいうことだけ忘れんとってくれよな」「皆、嫌疑をかけてやる」など威圧的な発言
- 1週間後に予定されていた元局長の定年退職を取り消し、懲戒処分に向けて動く
これらの行動は、公益通報者保護法に抵触する可能性があり、問題視されています。
片山副知事の弁明
百条委員会で、片山副知事は以下のように釈明しています。
- 「パワハラが入っているなと、私は人事の経験が長いので、これは非常にやっかいな事になるなと思った」
- メールに「クーデターを起こす、革命、逃げ切る」という文言があり、「不正な目的」があると判断した
- 3月下旬の時点で「公益通報で告発者を守らなければならないという認識はなかった」と証言
- 知事の「嘘八百」発言は「想定外でびっくりした」
- 「知事にしっかり進言することが副知事の仕事ではないのか」との問いに対し、「全部できたかどうか今は後悔する。反省している」
演技が上手な片山元副知事は、涙の辞職会見を経てしっかりと退職金を確保しました。
今回は「反省している人」を演じているのだとしたら、何が手に入るのでしょうか?
SNSの反応
この問題に対する社会の反応は様々です。
まとめ
片山元副知事の「たぬき」っぷりをまとめると、以下のような点が浮かび上がります
- 涙の辞職会見で同情を買おうとした一方で、告発者への厳しい対応を行っていた。
- 「県政の混乱に責任を取る」と表明しながら、実際には知事の指示に従って問題の隠蔽に加担していた可能性がある。
- 公益通報者保護の認識がなかったと述べ、責任回避を図っている。
- 告発文書を「不正な目的」と判断し、調査を正当化しているが、これは告発者の意図を曲解している可能性がある。
- 知事の「嘘八百」発言に「びっくりした」と述べながら、それ以前の対応では知事の意向に沿って動いていた。
- 辞職という形で責任を取ったように見せかけているが、実質的には問題の本質から逃げている。
これらの点から、片山元副知事の行動には一貫性がなく、状況に応じて立場を変える「たぬき」的な側面が見られます。
確かに、組織の中での立場の難しさや、当時の認識の不足など、複雑な問題ではあります。
しかし、亡くなった人がいるのにもかかわらず、副知事の立場でありながら真実を話さずに辞職したことを考えると、何よりも自らの保身を第一に考え、行動を取る人物だと考えざるを得ないと思います。
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